J-POP/アニソンDJには「ホットキュー」と「メモリーキュー」どちらが適しているか(rekordbox)

DJプレイ・MIX作成

J-POP/アニソンでDJをしようというときに、イントロが始まる位置だったりボーカルが入る位置だったりを曲にマークしておく手段として「ホットキュー」や「メモリーキュー」の使用が挙げられているかと思います。

自分は「ホットキュー」の使用を推しているんですが、今回の記事では改めてそれぞれの特徴を整理してみて、どちらがJ-POP/アニソンDJをするのに適しているかを考えてみたいと思います。

※rekordboxを使用してPCDJを行う前提の記事になっています。
※自分が普段している使い方をベースにした比較になっているので、当てはまらない人はいらっしゃるかと思います。

結論としてはやっぱり「ホットキュー」

さきに結論を書いてしまいますが、比較していった結果、”やっぱり「ホットキュー」だよ!”ってなりました。

以下が比較した結果の概要になります。

ホットキューメモリーキュー
曲の構成の把握◎
色分けや位置の固定で分かりやすい
△
曲のどのセクションなのかよくわからない
つなぎに必要な情報の把握〇
コメントで対応可
〇
コメントで対応可
DJプレイでの活用◎
スキップによる構成の変更が可能
〇
自動ループできるけど使うシーンは限られる
曲の準備での活用〇
試聴はやりやすいけどCUE打ちは少し手間
〇
試聴はやりづらいけどCUE打ちは楽

詳細については後述していきますが、ざっくりいうと「ホットキュー」の方が色分けだったりパッドの位置を固定できたりして曲の構成を把握しやすい、再生中に曲の特定の位置までスキップしたりDJプレイ中の使い道もある、という点で大きなアドバンテージがあると思います。

それに対して「メモリーキュー」にしかできなくて大きなメリットになるような点は見当たりませんでした。

まずはおさらい

ひとまず初心者向けにそれぞれの機能について簡単な説明や、これらが必要になる理由について記載しておきます。

※知ってるよって方はガンガン読み飛ばしてください。

それぞれの機能の概要

「ホットキュー」と「メモリーキュー」は、どちらも楽曲内の特定位置を記録するためのCUE機能になります。

ホットキュー

登録したポイントへ瞬時に移動して、その位置から再生するための機能です。

rekordboxでは以下の画像のように、曲情報の下のほうにあるリスト(オレンジ矢印)を「HOT CUE」にするとホットキューのパッド画面(オレンジ枠)が表示されます。

”A”~”H”のパッドに曲の波形の位置を登録することができ、パッドを押すと登録した位置から曲を再生することができます。曲を再生中にも使用可能で、その場合は押した瞬間から登録位置までスキップするような形になります。

登録した位置は曲の波形内にも四角のマークで表示され、ホットキューのアイコンは色の変更も可能です。また、各パネルには自由にコメントを挿入することもできます。

そのほかホットキューにループを設定しておいて、そのホットキューを推した瞬間ループに入る、といった機能もあります。

ホットキューはDJコントローラのパフォーマンスパッドでも操作することができます。

上の図ようにrekordboxの”A”~”H”にパフォーマンスパッドが対応しています。

一例として以下のような使い方ができます。ホットキューを使って1番サビ終わりから一気にアウトロまでスキップさせています。

メモリーキュー

楽曲内の特定位置を「目印」として記録しておくための機能です。

rekordboxでは以下の画像のように、曲情報の下のほうにあるリスト(オレンジ矢印)を「HOT CUE」にするとホットキューのパッド画面(オレンジ枠)が表示されます。

曲の波形の特定の位置を登録することができ、パッドを押すと登録した位置にCUEを設定してくれます。ただ再生中の曲で使用すると曲が止まってCUEの位置で止まってしまうので基本的には次の曲を準備しているときに使用する形になるかと思います。

また、曲を再生中の場合は再生位置に一番近い次のメモリーキューまでの拍数や時間を表示してくれます。DJプレイ時の使用用途としてはこちらを使って次のメモリーキューまでの長さを把握する、といった使い方になると思います。

登録した位置は曲の波形内にも”▼”のマークで表示されます。また、各パネルには自由にコメントを挿入することもできます。

そのほかメモリーキューにループを設定しておいて、登録した位置まで曲が来たら自動的にループに入る、といった機能もあります。

DJコントローラ側では曲の停止中に「SHIFT」ボタン押しながら「SEARCH」ボタンで登録した位置までCUEを移動させることができます。(再生中の場合でかつメモリーキューコールロックの設定をしている場合は操作できません)

なぜこれらの機能が必要なのか

「ホットキュー」や「メモリーキュー」がなぜJ-POPやアニソンを扱うDJに必要になってくるかというと、一番の理由としては楽曲の構成が波形から全く把握できないからということになると思います。

さきほどのホットキューの説明での画像を例にすると、自分の場合「A」「B」「C」「D」(緑や黄色)の位置からはイントロや間奏、アウトロなどの楽器が中心のセクションで、「E」「F」「G」(青や水色)からはボーカルが中心のセクションを表しているのですが、波形や波形の下にあるフレーズの色分けを見てもほとんどその区別がつきません。

加えてJ-POP/アニソンは頭サビがあったりなかったり、イントロや間奏の長さも同じ一定ではないうえに小節単位になっていなかったりなど、曲によって構成は様々です。

そのため、波形のどのあたりがミックスできるポイントなのか、そのセクションの長さはどれくらいあるのか、などを把握できるようにしておかないと、どうつなぐかをスムーズに決めることができません。

そのほか、ボーカルがイントロや間奏にかかったり、一部分だけ変拍子になったりなど、ミックスするうえで注意しないといけない特徴的な作りになっているポイントもメモしておくことでつなぎを考えるうえで役に立ったりします。

それぞれの機能の比較

ここから「ホットキュー」と「メモリーキュー」それぞれのメリット・デメリットを具体的に考えていきたいと思います。

今回はこれらの機能が果たすべき役割と実際に使うシーンという観点から、以下の観点で考察していきたいと思います。

  • 曲の構成の把握
  • つなぎに必要な情報の把握
  • DJプレイでの活用
  • 曲の準備での活用

曲の構成の確認

J-POP/アニソンDJでは波形のどの位置がつなぎに使えるかを把握しておく必要があるため、曲の構成の確認がどれだけしやすいか、というのは重要になってきます。

これははっきり言って色分けや位置の固定ができる「ホットキュー」の方が分かりやすいと思います。

上の画像のように、「ホットキュー」は登録した箇所につくマークに色とパッド(「A」~「H」の英字)が表示されるため、楽曲のセクションごとに使用する色やパッドにルールを設けておけば曲の構成の確認が容易になります。

例えば自分の場合だと、楽器中心のセクションは緑系、ボーカル中心は青系を使用し、「A」はイントロ、「E」はAメロ(1番)、「B」は間奏、、、というようなルールにしています。そのため、緑系のパッドの位置は楽器のみでつなぎに使える部分、とか、「A」が無くて「B」から始まってるからイントロがなくていきなりボーカルから始まる曲だ、といった判断ができます。

上記に対してメモリーキューの場合は赤の”▼”しか使用できないし、パネルの方も位置を固定したりできない(左上から順番に設定される)ので、どの”▼”が曲のどのセクションになるのか判断しづらいです。画像のようにコメントにどのセクションかを記載する必要が出てきますし、左からX番目の”▼”だからパネルの上からX番目を見て、、、といっためんどくさい見方になってしまいます。

つなぎに必要な情報の把握

曲の構成がわかりつなぐ位置を把握できても、実際にミックスをする際にはつなぎに使うセクションの長さがどれくらいあるかとか、ボーカルのかかりがあるかとかの情報も把握できるとつなぎやすさが格段に上がります。

そういった情報は「コメント」欄にメモをしておく、というやり方を自分はしています。これについては「ホットキュー」と「メモリーキュー」どちらも遜色なく対応できるかと思います。

上の画像でいうとオレンジ枠内の各パッド/パネル内にある記述のことです。例えばイントロのところ(「ホットキュー」の画像では「A」のパッド、「メモリーキュー」の画像では一番左上のパネル)は16拍あるということを表してます。

「曲の構成の確認」のところで記載したように、「メモリーキュー」はどのセクションにあたるかも記述する必要があり少し見づらさはありますが、どちらもrekordbox画面から確認できるしそんなに大きな違いはないかと思います。

DJプレイでの活用

続いて実際にこれらの機能を使う場面を考えていきたいと思います。

まずはDJプレイ中(曲を再生中)にどういう使い方ができるかを考えていきますが、これも「ホットキュー」のほうが有用と言えると思います。

「ホットキュー」は押した瞬間に登録した位置から再生してくれるので、間奏あたまからアウトロあたまへ一気にスキップさせる、といった使い方が可能です。これによって間奏でつなぎにくいからアウトロを使ってつなぐ、Dメロの展開が面白いから取り入れる、などDJプレイの幅が大きく広がるので、かなり大きな恩恵を受けられます。

対して「メモリーキュー」は設定した位置にCUEを打った状態で曲を止めてしまうので、再生中の曲に対して実行すことはまずないと思います。

そのほかで「メモリーキュー」にできることとしては、「残り拍数・時間でつなぐタイミングを測る」と「自動ループ」があげられますが、以下の理由であまりメリットを感じません。

・残り拍数・時間でつなぐタイミングを測る

つなぎたいポイントまでの残りの拍数や時間が、再生中の曲と次の曲で一致する箇所で再生する、といった使い方ができるように思いますが、実際に使うイメージが自分は湧いてこないです。曲を再生してからでないと確認ができないし、前述したように拍数をメモしたりして事前に把握できた方がやりやすいように感じます。

・自動ループ

メモリーキューを設定している位置に曲が来たら自動でループしてくれて一見かなり良い機能にも思えますが、よくよく考えてみるとJ-POP/アニソンはそもそもループができる曲ばかりではないですし、ループできたとしても毎度ループさせてつなぐわけでもないので、使えるシーンが実はあまり多くないように思います。

曲の準備での活用

こちらは再生中の曲ではなく、次にかける曲を探す、つなぎに使うセクションまで曲を進める、といった曲の準備段階での使い方の比較です。

まず次にかける曲を探すときにはトラックリスト上で曲を探して試聴してみたりするかと思いますが、これはどちらの機能も容易にできるので差は無いように思います。

トラックリスト上で「ホットキュー」と「メモリーキュー」のマーク(下の画像のオレンジ矢印のところにあるマーク)を押すと、モニターしてるヘッドフォンのほうでその位置から曲を試聴することができます。「メモリーキュー」が曲のどのセクションか分からない問題は引き続きあるものの、どちらの機能もこの機能で特定のセクションの試聴が可能です。

次に曲をロードしたあと、つなぎに使うセクションまで曲を進めてCUEを打ったりするかと思いますが、ここは若干「メモリーキュー」のほうがやりやすいかなと感じます。

「ホットキュー」だと押したあとに再生を始めてしまうので、曲を一度停止して、少し戻してからCUEを打つ、といった操作が必要になりますが、「メモリーキュー」ならワンクリックでズバドンで目的のセクションにCUEを打ってくれます(DJコントローラ上での操作でも「SHIFT」+「SEARCH」を何回かぽちぽち押す程度)。

まとめ

比較してきた内容をまとめると以下のような結果になります。

曲の構成の把握色分けや位置の固定でルール化できる「ホットキュー」が使いやすい
つなぎに必要な情報の把握「メモリーキュー」は少し見づらくなるけど大きな差はない
DJプレイでの活用曲の構成変更ができる「ホットキュー」が強い
曲の準備での活用曲の試聴に差は無し。CUE打ちは「メモリーキュー」のほうが少し楽。

トータルすると「ホットキュー」を使用することで得られる大きなメリットはありますが、「メモリーキュー」にしかできなくて大きなメリットになるものは無いように思いますので、「ホットキュー」のほうがJ-POP/アニソンでDJするうえでは適しているのではないという結論になります。

(補足)「メモリーキュー」は「自動ループ」単体なら使い道があるかも

J-POP/アニソンにおいては「ホットキュー」のほうが適していると結論づけましたが、あくまで曲の構成の把握とかの観点でみた場合ですので、「メモリーキュー」に使い道が全くないのかというとそんなことはないのではないかと思っています。

特に「自動ループ」は本当に良い機能だと思っていて、J-POP/アニソンでは使えるシーンが少ないとさきほど書きましたが、逆にいうと貴重なループ可能位置としての目印として利用できることになります。

不要な時にはループ解除する手間がプラスにはなりますが、うまく運用すればつなぎに役立つ可能性は十分にあると思うので、少し試してみようかなという気持ちになっています。

おわりに

冒頭にも書きましたが、今回の比較の仕方はあくまで「ホットキュー」を使用している自分の使い方をベースにしているため、正直「メモリーキュー」でどういう使い方をするかは想像でしかないです。

「メモリーキュー」ベースでうまくDJしている方も当然いらっしゃるかと思いますので、その方はぜひともこんな使い方できる、こんなメリットがあるというのを発信していただけると、自分としても知見が広がるのでありがたいです。

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