J-POP/アニソンを使うお家DJがrekordboxのSpotify連携を触ってみた所感

コラム

rekordboxがSpotifyとの連携を開始し、Spotifyの楽曲を利用してDJプレイできるようになりました。
Spotify連携で問題なく運用できるようになれば楽曲収集のコストも減って非常にありがたいので試してみました。

※筆者はPCDJ(rekordboxのPERFORMANCEモード)でJ-POP/アニソンを使ったDJ-MIX作成ばっかりしているお家DJなのでその視点での意見になります。

Spotify連携を使うまでの流れ

必要なもの

Spotify連携を利用するにあたってはSpotify Premium(有料プラン)に加入したSpotifyのアカウントが必要になります。
また、Spotifyとデータのやり取りをするのでインターネット環境が必須になります。
あとはrekordboxの最新化もお忘れなく。

利用の仕方

最新バージョンのrekordboxではコレクション画面左にSpotifyのアイコンが追加されています。
画面下部の「ログイン」ボタンを押すとSpotifyへのログインや承認画面がブラウザで表示されるので、画面の内容に従って入力します。

承認が完了するとSpotifyのデータがrekordboxにロードされます。

ロードが終わるとコレクション画面の左側にある「マイライブラリ」フォルダに、Spotify側で作成した「マイライブラリ」にあるプレイリストが表示されます。
各プレイリストを選択すると、Spotify側でそのプレイリストに登録している曲がrekordboxでも表示されます。

上記の状態から曲をロードすると、楽曲ファイルをインポートした時と同様に楽曲の解析画面が出て、解析が完了すると曲の再生が可能になります。

ちなみに「DJになるために」のフォルダの方は、Spotify(?)が自動的に作ってくれるようで、それぞれのジャンルの曲のプレイリストが入っていました。
特に「メイド・フォー・ユー」のフォルダ内のプレイリストは、その人のプレイリストをもとに各ジャンルのおすすめ曲を集めてくれているように見えたので、曲を掘るのにも使えそうだなと思いました。(筆者の場合だとJ-POP/アニソンとかの曲もちゃんと入っていました)

触ってみた感触

曲のロードについて

  • 曲のロード時間・音質ともに問題なし
  • 曲のダウンロードはロードのたびに発生。
  • インターネットに接続していないと曲のロード不可。
  • 3曲までしか同時にロードできない。

曲のロードはインターネットを介してダウンロードすることになりますが、下り100Mbps(インターネットの速度測定の結果)くらいのネット環境で1~2秒ほどって感じでした。通常の曲のロードと比べると(特にSSDにファイル置いている場合と比べると)遅いという印象は受けますが、よっぽどひどいネット環境でなければ困ることは無いかと思います。

一度別の曲をロードして再度ロードしても同じくらいロードに時間かかっているので、曲のダウンロードはロードのたびに行われている感じがします。

またダウンロードした楽曲ファイルについては、320 kbps OGGってことなので十分な音質レベルかと思います。

注意点としてはインターネットに接続していないと曲のロードができなくなるのと、一度に3曲までしか同時にロードできないみたいです。

楽曲管理について

  • rekordboxコレクションとは別管理
  • rekordboxコレクション内の曲とSpotify側の曲を含めた検索とかができない
  • rekordboxのプレイリストに入れられない

rekordboxのコレクション(インポートした曲)とは完全に別管理になるみたいです。
Spotifyのマイリストとrekordboxのコレクションに同一の曲があっても、グリッド設定やホットキュー設定などの各種設定情報はそれぞれ別になるみたいです。

筆者はよくトラックフィルター機能で楽曲の検索をするんですが、Spotify側の曲とrekordboxのコレクションを同時に検索はできませんでした。

また、rekordboxのプレイリストにSpotifyのマイリストの曲を入れることは不可のようです。

DJプレイについて

  • DJプレイに関しての差分はなし
  • インターネットに接続していないとロード済の曲でも再生できなくなる。
  • rekordboxで直接DJプレイの録音は不可。

これはrekordboxのコレクションの曲でDJプレイするのと遜色なかったです。
ホットキューやメモリキューなどの機能も問題なく利用できますし、Spotify連携でロードした曲からrekordboxのコレクションの曲へつないだりも特に問題なしでした。

注意点としてはインターネットに接続していないとロードが完了して再生中の曲でも止まってしまうので、DJプレイ中はずっとインターネット接続必須です。

あとrekordboxでの録音は不可のようです。

バックアップについて

Spotify側の曲に設定したホットキュー設定やマイタグがちゃんとバックアップできるのかについても知りたかったんですが、こちらはよくわかりませんでした。。。
(実際に試すこともできずネットで調べてみてもはっきりした回答は見つかりませんでした)

メリット・デメリット

メリット

  • 楽曲収集にかかる時間・金銭コストが下がる。
  • 楽曲ファイルの管理をしなくて良い。

筆者がそうなのですが、J-POP/アニソンを使うとなると、今だったら曲を掘るのは基本的にSpotifyなど音楽のサブスク系のサービスを利用する方が多いのではないかと思います。

その場合、サブスクで曲を探してCDを手に入れて楽曲ファイルを取り込んだり、ダウンロード販売から直接購入したりになるかと思いますが、Spotifyを使用している人であれば、マイリストに登録さえしてしまえばすぐDJプレイ可能になるので、これらの手間が必要なくなります。

金銭的なコストで見ても、Spotify Premiumにかかる値段が月1080円(2025年10月現在)なので、楽曲ファイルを入手するのにかかるお金と比べるとだいぶ安く済むと思います。
筆者としてはこういった時間・金銭コストがぐんと下がるのが一番の魅力に感じています。

また、楽曲ファイルをUSBやSSDに保管しておかなくて済むので、盗難・紛失・故障といったことも考えなくてよくなります。(代わりにサービス終了やインターネット環境に依存するといったリスクはありますが、相対的にはマシだと筆者は思っています)

デメリット

  • DJ-MIX作成・公開で使用するには向かない。
  • rekordboxのコレクションと併用した運用が難しい。Spotifyへの移行も厳しい。

rekordboxのプレイリストが使えず、また直接DJプレイの録音もできないとなればDJ-MIX作成や公開といった目的ではまず使用できないと思います。

あとrekordboxのコレクションとSpotify側の曲を合わせて楽曲検索をすることができないので、このふたつを併用していると、rekordboxのコレクションとSpotifyをいったりきたりになると思うので、DJプレイやDJ-MIX作成でかなり手間が増えそうです。

Spotifyに一本化しようにも、Spotifyのプレイリストに曲を入れるくらいならまだしも(それでも数千曲レベルでrekordboxに入れている人にとってはかなりの苦行ですけど)、ホットキュー設定やタグ設定の移行はできないので、この辺の機能をがっつり使用しているとSpotifyへの移行もまず無理だと思いました。

おわりに

時間・金銭コストが下がるのはすごい魅力的なのですが、DJ-MIX作成メインで日ごろ遊んでいる筆者としては、DJ-MIX作成に使用できないのは致命的なので今のところは見送りかなあというところです。

ただ、特に上記のようなデメリットない人(DJプレイがメインでホットキュー設定などを使用していない人、これからSpotifyメインでDJ始めていく人とか?)にとっては良い機能だと思うのでガンガン使っていくべきだと思います。

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